貯蓄率について

前回の記事では、FIREの基本的な考え方やスタイルについて書きました。 今回は、FIREの考える3つの基本原則の1つの貯蓄率が重要なのかを、少し深掘りしていきます。


もしあなたが


「FIREなんて、ごく一部の富裕層だけの話でしょ?」


と思っているなら、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。



FIRE達成のための2つのステップ


FIREへの道のりは、大きく2つのフェーズに分けることができます。


  1. 【フェーズ1】資産を築くフェーズ
    この段階では、収入の大部分を貯蓄や投資に回し、FIREの土台となる資産を築き上げます。

  2. 【フェーズ2】資産を切り崩すフェーズ
    十分な資産が築けたら、そこから生活費をまかなっていきます。
    4%ルールなどの取り崩し戦略はこちらの話。

今回の記事では、このうち【フェーズ1】の資産を築く段階、特に「節約して貯蓄する」ことの重要性について焦点を当てていきます。



貯蓄率がすべてを物語る


FIREを目指す上では、原資となる資産を準備する必要があります。その時の重要な要素の1つが貯蓄率です。


これは「手取り収入のうち、何%を貯蓄や投資に回しているか」を示す指標で、FIRE達成までの期間を予測することができます。

  • 貯蓄率10%
    一般的な日本の家庭の平均的な貯蓄率ですが、このペースではFIRE達成に50年以上(51年)かかる可能性があります。

  • 貯蓄率50%
    少し現実離れしてはいますが、このペースならわずか17年ほどでFIREが視野に入ってきます。





貯蓄率50%で17年FIREの計算例


具体的な数字で見てみます。

前提条件
  • 手取り年収: 400万円 
  • 貯蓄率: 50%
  • 投資利回り: 年率5%(インフレ調整後)
  • 目標額: 年間支出額の25倍 (いわゆる4%ルール)


年間支出額

まずは、この方のの年間支出額を計算します。
年収400万円 × 50% = 200万円

400万円の年収で貯蓄50%を実行できる方は、年間支出200万円で生活できるということです。


FIREに必要な資産目標額

次にFIREに必要な資産額を4%ルールにて計算
年間支出額200万円 × 25倍 = 5,000万円


資産5,000万円に到達するまでの期間

年間200万円を投資に回し、年率5%(複利)で運用した場合、資産が5,000万円に達するまでの期間は約17年です。

200万円x17年=3400万円に、毎年の残高に5%の利益を加えると、5000万円になるということです・・・・、資産運用って大切ですね。
(EXCELをお持ちの方は、NPER関数で一発で求められます)



これはあくまでシミュレーションですが、あなたが今の生活費をどれだけ削れるか、そしてそのお金をどれだけ投資に回せるかで、FIREへの道のりが決まるということが明確にわかります。



貯蓄率の「二重の効果」


貯蓄率10%で51年、貯蓄率50%で17年の期間がかかることが計算で求まりますが、貯蓄率が高いとFIREまでの期間が短くなる理由は、以下の2つの要素が同時に働くからです。

1. 資産を積み上げるスピードが速くなる

貯蓄率が高いほど、当然ながら毎月投資に回せる金額が増えます。例えば、手取り月収25万円なら、貯蓄率50%では毎月12.5万円を投資に回せます。貯蓄率10%の2.5万円と比べると、その差は歴然です。


2. 退職後の生活コストが低くなる

貯蓄率が高いということは、普段の生活費が少ないことを意味します。

  • 貯蓄率50%の場合
    手取り収入の半分で生活できているため、退職後も少ない支出で暮らせます。必要な資産目標額も低く設定できるため、より少ない元手でFIREが達成できます。

  • 貯蓄率10%の場合
    手取り収入の90%を使って生活しているため、退職後も多くの生活費が必要になります。そのため、必要な資産目標額が高くなり、より多くの元手が必要になります。


このように、貯蓄率を上げることは「貯蓄額を増やす」と同時に「必要なゴール額を下げる」という二重の効果を生み出します。だから、FIREにとって、貯蓄率が重要といわれている所以です。




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